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2022-03-01 10:22:25
「CONNECT-絵画と額縁」展、無事終わりました。

ご来場頂いた方、オンラインで関心持って頂いた方、皆様ありがとうございました。

今更ですが、各作家さんの額装のアプローチを少しお伝えさせて頂ければと思います。

まず、清田悠紀子さんの額縁のイメージはパルテノン神殿やサモトラケのニケでした。
作品から儚くも芯にある覚悟みたいなものを感じました。
神殿やニケが様々な紛争に巻き込まれながらも力強く残っている…
傷ついたからこそ生まれるあの芸術性…
そのような事を考えながら形にしていきました。

藤木貴子さんの案内状の作品「マトリカリア」は引き算の額装でした。
一輪一輪繊細なトーンで描かれている事、モチーフがほぼ中央にある事、それを考えたとき、もしモチーフがどちらかに寄ってたりしたら、その反対に少し飾りを入れたりしたかもしれません。
繊細なトーンを見てもらうには額は何もしない方がいい気がして、あえて何もしませんでした。結果、気品を感じさせることが出来たかなと思ってます。

能登真理亜さんの額装は少し前に個展に伺ったので、完全にその時のイメージに引っ張られた感じです(笑)都会的な感じ、ハイセンスを狙いました。

細い額は版画の世界で有名な楢材に似てるブナ材で作りました。どこまで細くできるかを狙った半分ウケ狙い、ジョーク的な感じでした。
オーナー様に「プリッツ(お菓子)みたいですね」と賛辞を頂きました。

真鍋修さんの対の額は春夏秋冬のモチーフか何かを描いてやってみたいなと自分がぼんやり考えてた額でした。
上手く構成を考えればとてもストーリー性が出てカッコよく決まるかなと…
まさか自分の思いつきの発想が真鍋さんの所にいってしまうとは…とっても大変だったと思い、恐縮しております。
完成された作品を見た時、見事に二枚が一つの作品になっていて、猫の視点の先にモチーフがあり、二枚の作品の間がただの余白ではなく必然性のある空間になっていて、動きが循環していて。
自分が作った額の意図を汲んで頂いて作品を制作して頂いたのは本当に嬉しかったです。

余計な一言だと思いますが、この作品の裏側にある深みは普通の人にはわからないと思います。「わぁ、猫かわいい」程度だと思います(笑)ごめんなさい、少し辛口。
その辺りも自分にもっと発想力があれば作品の深さを見せられただろうと今後の課題です。

ドローイングの作品はスマートさを狙いました。15年くらい前にアントニ・タピエスの実物が西武であったのですが、紙が波打っててもったいないな、ちゃんと額装したらよく見えるのになと、残念な気持ちで帰った事があり、その時の答えを今回出した感じです。

アクリルを付け替えに会場に行った時、「あ、俺今幸せだなぁ」って思いました。
感染者数も紛争も芸能人のスキャンダルもうんざりしてた中で、なんだか心が救われた感じがしました。
ステキな作品に囲まれ、やりたい放題やらせて頂いた僕自身が一番幸せ者だったかもしれません(笑)
とても楽しかったです。ありがとうございました。

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